特別対談 vol.2 プロジェクトソラ、『スマブラ』2作同時開発へのチャレンジ。桜井政博(プロジェクトソラ ディレクター)×岩田 聡(任天堂 社長)
※第一期の募集は終了しました
はじめに
岩田
この対談が掲載される頃には、
桜井さんも私もE3(※1)に参加するために
アメリカにいるはずなんですが、
そこでは、桜井さんと任天堂が協力して
2009年に設立した会社 プロジェクトソラが
『新・光神話 パルテナの鏡』に続いて開発する
第2弾のソフトについて、発表をする予定です。
桜井
第2弾と第3弾を同時に発表するという
感じでしょうか(笑)。
岩田
そうですね。
今日は、桜井さんとプロジェクトソラが
これからどんなことにチャレンジし、
それを実現するためにどんな人材を
求めているか
を、お訊きしたいと思います。
桜井さん、よろしくお願いします。
桜井
よろしくお願いします。
※1 E3:
Electronic Entertainment Expoの略で、年に一度米国内で開催される世界最大規模のビデオゲームの発表展示会。2011年は6月7日から3日間、ロスアンゼルスで開催。
1 『スマブラ』を2作同時に開発する
岩田
E3での任天堂の発表内容をご存じない方も
いらっしゃると思いますので、まず、
プロジェクトソラに関連する発表内容を
お伝えしておきたいと思います。

『新・光神話パルテナの鏡』の完成後に、
桜井さんの代表作の1つと言える
『大乱闘スマッシュブラザーズ』(※2)
(以下『スマブラ』)シリーズの最新作を
開発
していただくことになりました。
しかも、ニンテンドー3DSと、
Wiiの後継機として今回発表したWii U(※3)
2機種に向けて並行して開発
するという、
かなり野心的な取り組みです。
『スマブラ』新作の開発について
桜井さんと話をしたのは、少し遡って、
2008年にWiiの『スマブラX』が発売された
少し後でしたよね。
桜井
はい。
はじめてニンテンドー3DSのことを伺い、
ゲームを作る依頼を受けたときですね。
岩田

任天堂が新しいプラットフォームを
開発するのであれば、その機種向けに

『スマブラ』を作ってほしいと待ち望んでくださる
お客さんがたくさんいらっしゃることは
わかっているんですけど、一方で、
桜井さんに『スマブラ』の連作を要求するのは
本当にいいことなのだろうかという
思いもありました。

桜井
当時もそう伺いました。それで、
2作目に『スマブラ』を作ることを視野に入れつつ、
1作目には『新・光神話パルテナの鏡』を
企画したわけですが。
岩田
1作目で、ニンテンドー3DSでの
開発の経験を積んで特性をよく理解して、
そしてチームがまとまったら、
2作目として『スマブラ』に着手できたら
いいですねという話をしましたね。
桜井
1から人を集めて、その機種のノウハウが
まったくない者同士で開発を進めるのは、
非常に難しいことですからね。
『スマブラX』のときも1から人を集めたので
状況は似ていたのですが、あのときは
『スマブラ』の名前を出していましたから、
具体的なイメージを持って
応募してくれた人が多かったんです。

一方、プロジェクトソラの立ち上げ時に、
謎のプロジェクトとしてスタッフを募集したときは、
どんなゲームを作るのかを公開できずに
困りました。
岩田
"桜井さんが作ります"ということだけを
公開して募集したのですよね。
桜井
募集の仕方としては
ちょっと無茶だったかもしれません。
『新・光神話 パルテナの鏡』の
企画を立てていたわけですが、
シューティングゲームであることはもちろん、
ニンテンドー3DSで作ることすら
公開できなかったという。
岩田
ニンテンドー3DSの発表前だったので、
プラットフォームさえ公表できなかったのですよね。
桜井
2作目に『スマブラ』を作るということも、
あくまで岩田さんと私の合意であって、
スタッフにも内緒でした。
その頃にはハードの詳細についても
把握していなかったですし、
開発スタッフがどれだけ集まるかも
わからない状況だったので。
岩田
今回は、タイトルも対応機種も
はっきりお伝えできますね。
※2 『大乱闘スマッシュブラザーズ』:
桜井政博がディレクターを務め、これまで『任天堂オールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』(NINTENDO64/1999年)、『大乱闘スマッシュブラザーズDX』(ニンテンドー ゲームキューブ/2001年)、『大乱闘スマッシュブラザーズX』(Wii/2008年)の3作を発売。
※3 Wii U:
Wiiの後継機として2012年に発売予定の据置型ゲーム機。