今回のプロジェクトもあまり前例がないことで、
プロジェクト期間限定で人材を募集します。
プロジェクトが終わったらまたバラバラになることを
前提として、最初に桜井さんが言っていたように、
そこでできる一期一会の関係で、
そうだからこそできることをやっていきたいと思います。
通常の会社組織ではできない、
ダイナミズムがある開発体制をつくることに
意味があるという思想が根っこにはあります。
そのために新しい会社も設立しました。

※本対談は2009年2月18日に公開された内容のまま掲載しております。
岩田
桜井
一期一会というか、ある期間一緒にやって、
終わったらバラバラになるということが
クローズアップされがちですが、
実際はその後の人脈のほうが大きいと思います。
いろいろな人が集まって制作をする以上は、
いろいろな人とのつながりができますから、
その後フリーになっても、
求められる人になっていくんだと思います。
終わったらバラバラになるということが
クローズアップされがちですが、
実際はその後の人脈のほうが大きいと思います。
いろいろな人が集まって制作をする以上は、
いろいろな人とのつながりができますから、
その後フリーになっても、
求められる人になっていくんだと思います。
岩田
そこで活躍した人、周囲から信頼された人ほど、
その後に人脈ができると。
その後に人脈ができると。
桜井
そうですね。
ゲーム業界って本当にたくさん人がいるなぁ、
プロジェクト単位で見ると狭いなぁ、
と思いますからね。
ゲーム業界って本当にたくさん人がいるなぁ、
プロジェクト単位で見ると狭いなぁ、
と思いますからね。
岩田
どういう意味で?
桜井
職場やメーカーを変えたとしても、
この人とこの人は以前同じ仕事をしていたとか、
この人とこの人は知り合いだったとか、
結構あるんです。
これはケンカ別れはできないと思って。(笑)
この人とこの人は以前同じ仕事をしていたとか、
この人とこの人は知り合いだったとか、
結構あるんです。
これはケンカ別れはできないと思って。(笑)
岩田
悪い噂はすぐ広がる世界ですね。(笑)
桜井
それぞれの人が自分の看板をたてて
自分なりに動くっていうのが、
娯楽を制作するのには向いていると思うんですね。
やっぱりそのときに芸を見せられる人が、
より支持されるのだろうと思います。
そういう意味でもプロジェクト期間限定のこのやり方は、
現状に合っている形態だと思います。
自分なりに動くっていうのが、
娯楽を制作するのには向いていると思うんですね。
やっぱりそのときに芸を見せられる人が、
より支持されるのだろうと思います。
そういう意味でもプロジェクト期間限定のこのやり方は、
現状に合っている形態だと思います。
岩田
クリエイティブにモノをつくる集団というのは、
必ずしも長期間勤めることを前提とした
組織でなくてもいいのではないかと
私も思っているんです。
クリエイティブに関わる他の業界を見れば
明らかなんですが、本来はそういう組織でなくても
モノをつくる仕組みはできるのに、
ゲーム業界ではそういう組織で
ゲームをつくることが普通になっています。
この機会を通じて、
「そうじゃない作り方もできるんだ」というのを
実証できたらという期待もちょっとあります。
普通は小さなチームで始めて、
「よし、これならモノになる。
これなら人を集めても大丈夫だ!」と
手応えを見極めてから規模を大きくするんですけど、
桜井ディレクターであれば、最初に案を聞いておけば、
想定と外れることはないので大丈夫かなと。
必ずしも長期間勤めることを前提とした
組織でなくてもいいのではないかと
私も思っているんです。
クリエイティブに関わる他の業界を見れば
明らかなんですが、本来はそういう組織でなくても
モノをつくる仕組みはできるのに、
ゲーム業界ではそういう組織で
ゲームをつくることが普通になっています。
この機会を通じて、
「そうじゃない作り方もできるんだ」というのを
実証できたらという期待もちょっとあります。
普通は小さなチームで始めて、
「よし、これならモノになる。
これなら人を集めても大丈夫だ!」と
手応えを見極めてから規模を大きくするんですけど、
桜井ディレクターであれば、最初に案を聞いておけば、
想定と外れることはないので大丈夫かなと。
桜井
聞くのが怖いですけど、
新しい企画の内容ってどうでしたか?
新しい企画の内容ってどうでしたか?
岩田
僕らからすれば、任天堂や
任天堂に近いところから出るものと変に重なることはなく、
喜んでくれるお客さんの顔が想像できたので、
勝算が持てたのですけど。
任天堂に近いところから出るものと変に重なることはなく、
喜んでくれるお客さんの顔が想像できたので、
勝算が持てたのですけど。
桜井
単純に費用対効果を考えたら、
タッチジェネレーションズみたいな企画に走るんですけど、
自分に求められているのはそうではない、
と認識しています。
タッチジェネレーションズみたいな企画に走るんですけど、
自分に求められているのはそうではない、
と認識しています。
岩田
最初に、任天堂が得意でないことを
やって欲しいって言いましたよね。
やって欲しいって言いましたよね。
桜井
任天堂の進化の方向を見て、
あんまりそこに当てはまらないものを
意識して制作を進めるつもりですから。
あんまりそこに当てはまらないものを
意識して制作を進めるつもりですから。
岩田
任天堂のバックアップがあるからこそ
できるものでもあり、任天堂では
できないものでもあるということですね。
できるものでもあり、任天堂では
できないものでもあるということですね。
桜井
よりヘビーにゲームをする方々にも求められて、
かつ新しい提案があるようなものにしたいです。
かつ新しい提案があるようなものにしたいです。
岩田
タッチジェネレーションズ的な商品と
ゲームの熟練者向けの商品が
対極にあるようによく言われていますが、
そう単純なことではないと思うんです。
ただ軸が違うだけで、
このゲームをやってたらこっちもやりたいと
感じてくださったお客さんはいっぱいいるし、
僕らがやりたいのはビデオゲームを触って
ニコニコする人を増やすことですから、
任天堂の提案できることの幅が広がるのは
すごくありがたいことだと思います。
桜井さんが仕事をしているときに
大事にしていることは何ですか?
ゲームの熟練者向けの商品が
対極にあるようによく言われていますが、
そう単純なことではないと思うんです。
ただ軸が違うだけで、
このゲームをやってたらこっちもやりたいと
感じてくださったお客さんはいっぱいいるし、
僕らがやりたいのはビデオゲームを触って
ニコニコする人を増やすことですから、
任天堂の提案できることの幅が広がるのは
すごくありがたいことだと思います。
桜井さんが仕事をしているときに
大事にしていることは何ですか?
桜井
それはユーザーですね。
遊ぶ側のことを第一優先にするということです。
遊ぶ側のことを第一優先にするということです。
岩田
そのことを考えると、
桜井さんが一緒に働きたいスタッフは、
自分が少し余計に汗をかいてでも、
お客さんが喜んでくれるなら喜んでやります
という人なんですかね。
私は、今回のプロジェクトで
どんな人に来て欲しいかというと、
自分の個としての専門能力を引き出してくれる
棟梁に出会いたい人に、声をかけたい
プロジェクトなんです。
桜井さんが一緒に働きたいスタッフは、
自分が少し余計に汗をかいてでも、
お客さんが喜んでくれるなら喜んでやります
という人なんですかね。
私は、今回のプロジェクトで
どんな人に来て欲しいかというと、
自分の個としての専門能力を引き出してくれる
棟梁に出会いたい人に、声をかけたい
プロジェクトなんです。
桜井
なるほど。
岩田
個人として実力があって、
志もしっかりとしているのに、縁がなくて
棟梁に恵まれていない人っていると思うんですよ。
完成のビジョンがはっきりした棟梁について仕事をすると、
巨大な商品というのはこういう手際でまとまっていくんだ、
ということを経験したい人にはぜひお勧めです。
志もしっかりとしているのに、縁がなくて
棟梁に恵まれていない人っていると思うんですよ。
完成のビジョンがはっきりした棟梁について仕事をすると、
巨大な商品というのはこういう手際でまとまっていくんだ、
ということを経験したい人にはぜひお勧めです。
桜井
私が棟梁かというと
そんなにおおげさなものでもありませんけど。
ゲーム業界では、スタッフはいるけど企画自体や
ディレクター、プロデューサーなどが
いないなんてことも少なくありませんね。
しかし、少なくともここには企画があるし、
プロデュースや販売元は任天堂で、
万全な体制に近いと言えるかもしれません。
そんなにおおげさなものでもありませんけど。
ゲーム業界では、スタッフはいるけど企画自体や
ディレクター、プロデューサーなどが
いないなんてことも少なくありませんね。
しかし、少なくともここには企画があるし、
プロデュースや販売元は任天堂で、
万全な体制に近いと言えるかもしれません。
岩田
私は、今回のプロジェクトは、
任天堂単独ではできない、
任天堂が桜井さんという人と出会い、
もっといえば、私自身も桜井さんという人と
たまたま一緒に仕事をする機会があって、
何本かのモノをつくり、そして『スマブラX』を
極めて特殊なやり方でつくり、そのうえで、
このやり方が、任天堂の提案できるものの
幅を広げるためにも、
そして桜井さんという才能の
すごくユニークな部分を最大限に活かすためにも、
そして、日本のゲームの作り方に、
新しいこんな作り方もあるんじゃないか、
ということを一石として投じるうえでも、
必要だと思っています。
そして、このプロジェクトに参加する人が
今回の機会を通じて、いろんな刺激を受けて、
桜井さんから何かを学べるかもしれないし、
任天堂から何かを吸収できるかもしれない。
ここに集まる人たち同士でお互いに
刺激を与え合えるかもしれない。
そういうことができるのではないかと、
『スマブラX』の打ち上げで、皆がすごく大変だったけど、
すごく充実感のある顔をしていたのを見て
思っていたことが、今、
始動しようとしているということです。
任天堂単独ではできない、
任天堂が桜井さんという人と出会い、
もっといえば、私自身も桜井さんという人と
たまたま一緒に仕事をする機会があって、
何本かのモノをつくり、そして『スマブラX』を
極めて特殊なやり方でつくり、そのうえで、
このやり方が、任天堂の提案できるものの
幅を広げるためにも、
そして桜井さんという才能の
すごくユニークな部分を最大限に活かすためにも、
そして、日本のゲームの作り方に、
新しいこんな作り方もあるんじゃないか、
ということを一石として投じるうえでも、
必要だと思っています。
そして、このプロジェクトに参加する人が
今回の機会を通じて、いろんな刺激を受けて、
桜井さんから何かを学べるかもしれないし、
任天堂から何かを吸収できるかもしれない。
ここに集まる人たち同士でお互いに
刺激を与え合えるかもしれない。
そういうことができるのではないかと、
『スマブラX』の打ち上げで、皆がすごく大変だったけど、
すごく充実感のある顔をしていたのを見て
思っていたことが、今、
始動しようとしているということです。
桜井
恐れ多い言葉をありがとうございます。
私は岩田さんに依頼を受けて
仕事をしているという立場ですからね。
これも不思議なご縁で……。
私は岩田さんに依頼を受けて
仕事をしているという立場ですからね。
これも不思議なご縁で……。
岩田
人の縁は不思議です。
私自身もそうですが、
これまで経験してきたことをしなかったら、
今と同じようなことをやっているとは到底思えないし、
桜井さんが同じ才能を持っていたとしても、
HAL研究所という会社でたまたまできた縁が活きて
伸びた部分もあるでしょうし。
まぁ違うところにいたら、もっと違うふうによく
成長していたのかもしれないですけど(笑)。
私自身もそうですが、
これまで経験してきたことをしなかったら、
今と同じようなことをやっているとは到底思えないし、
桜井さんが同じ才能を持っていたとしても、
HAL研究所という会社でたまたまできた縁が活きて
伸びた部分もあるでしょうし。
まぁ違うところにいたら、もっと違うふうによく
成長していたのかもしれないですけど(笑)。
桜井
過去のことっていうのは必ず連鎖しますからね。
よいことも悪いことも含めて、
過去に何かあったから今がある、
っていうことを本当に感じますから。
よいことも悪いことも含めて、
過去に何かあったから今がある、
っていうことを本当に感じますから。
岩田
桜井さんや他の仲間たちと
ご縁をつくってみませんか?
ということですかね。
ご縁をつくってみませんか?
ということですかね。
桜井
なんて綺麗なまとめなんだろう……
綺麗すぎ?
綺麗すぎ?
(おわり)